image description
アスベスト分析業務立ち上げプロジェクトストーリー
一から創る、やったことがないをやってみる。
rectangle
Project Member
プロジェクトメンバー
Profile Image
Nさん
中央技術センター
分析技術部 部長
Profile Image
Tさん
中央技術センター
分析技術部 アスベスト分析グループリーダー
兼)自動化省力化推進グループ
rectangle
人々の健康を支える。
有害性が非常に高いアスベスト(石綿)。その粉塵を吸い込むと、肺がんや中皮腫などの健康障害に繋がる危険がある。現在、製造・輸入は全面的に禁止されているが、耐熱性・防音性に優れ安価であったため、「奇跡の鉱物」と言われ、1960年から90年にかけて数多くの建材などに使用されていた。時が経ち、アスベスト含有建材を使用していた建物の解体・改修の時期となり、解体・改修工事の際にアスベストの吸入を防ぐため、事前調査・分析の必要性が求められ、ここ数年で「石綿障害予防規則」や「大気汚染防止法」の改正が実施された。アスベスト調査・分析の需要は高まっており、大きなビジネスチャンスだ。山口県山陽小野田市にある事業所では約30年のアスベスト調査・分析実績があり、千葉県佐倉市の事業所でも同様に調査・分析を行えるよう、2022年4月にアスベスト分析業務立ち上げプロジェクトが発足、業務拡大に臨むこととなった。
rectangle
彼なら、できる。
ところが、プロジェクトはそう簡単に進まなかった。Tさんにやろうという意思があっても、普段の業務を抱えたままの同時進行の中、一人だけでは思うように進まない。このままだと、いよいよチャンスを取りこぼしてしまう。そこで、Nさんが動いた。居ても立ってもいられなかった。『彼ならきっとやり遂げてくれると思った。あとひと押しあれば、という状況でした。』とNさんは言う。Nさんからの助言もあり、まずは売上目標を達成するために必要なことを考え、提案書の作成から取り掛かった。どれくらいの規模の実験室がいるのか、機材や人材はどれくらい必要なのかを提案、そしてそれらの確保に乗り出した。ちょうどその頃、中途採用のタイミングもあったため、担当していた業務をうまく後任に引き継ぐことになり、Tさんはプロジェクトリーダーとなった。2023年に入って、やっとプロジェクトを動かすことができた。
AnalysisImg1
rectangle
はじめは、実験室の設計から。
まずは、アスベスト専用実験室の立ち上げが必要だった。元から空いている実験室があるわけではないため、どこか実験室を貸してもらえるように働きかけなければならない。関係各所との交渉と調整が必要だった。売上目標達成に対してのプランを説明して回り、実験室を借りることに納得してもらう。もちろん交渉は簡単ではない。当時の部長や常務の協力も含め、周りに助けてもらいながら、なんとか進めることができた。それから、効率的かつ高水準の分析が、安全に実施できる実験室に仕上げることが必要だった。例えば、実験台と装置をどのように配置するかも重要なのだ。「実験台と装置の幅がこれくらいなら作業するのに問題はないか」「荷物を運ぶ時にこれくらいの幅があれば大丈夫か」、全部想像でやるしかなかった。作ってしまったら、もう後戻りはできない。楽しさもあったが、同時に不安もあった。参考となる他の実験室を何度も往復し、レイアウトの検討を繰り返し行った。
rectangle
やってみないとわからない。
実験室立ち上げ以外にも、分析をする人材も集めなければならない。新規採用や他部署からの異動で数名集めることができたが、アスベストに関しては全員未経験で分析自体未経験者も半数程いた。ただ、やる気に満ちた人材が集まってくれた。一からの教育が必要だったものの、素直にどんどん吸収し、業務を円滑に進めるための意見を積極的に出してくれることもあった。『意見があれば、たとえ自分の考えとは違っていても、とりあえずやってみました。やってみないとわからないですから。』とTさんは言う。太平洋コンサルタントは社員からの業務改善提案に前向きな会社であるため、次々に改善していくことができた。チームの一人ひとりが参画し、より良い業務の形を作り上げていった。
AnalysisImg2
rectangle
過酷な環境での分析業務。
実験室改修中の2〜3ヶ月の間、6名程度の会議室を借りての作業となった。決して広くはない空間に顕微鏡や簡易ドラフトを入れる。顕微鏡の前に座れば、後ろには隙間がなく、人が行き来する時には椅子を引いて譲り合わなければならない状態。空調の効きは完璧ではなく、室温を下げるために扇風機を何台も使ったり、その会議室の隣の部署の方にお願いをして窓を開けさせてもらったりする必要があった。過酷な状況だったと言えるだろう。それにもかかわらず、プロジェクトメンバーは誰ひとり、不満を言うことなく業務にあたった。また、会議室を占領してしまうことになったがその期間、周りの部署からの苦情もTさんには一切入ってこなかった。過酷な状況下での作業や他部署への負担、そういった困難な状況でも、それぞれの努力や協力があって、分析に邁進することができた。2023年11月には無事に実験室が完成するとともに人材育成も進み、処理量が倍増。今年度は営業の協力もあり、さらに売上を伸ばしている。これまでの努力が実を結び、目に見える成果が出始めた。
実験室改修の流れ
Renovation Img1
工事前
Renovation Img2
天井壁床工事
Renovation Img3
天井壁床完成
Renovation Img4
什器搬入
Renovation Img5
完成
Renovation Img6
現在
rectangle
さらなるチャレンジを。
そして2024年4月、ひとつの課として「アスベスト分析グループ」が新設されることとなった。現在はさらなる売上目標達成に向けて「アスベストワーキンググループ」が立ち上がり、営業と技術が一体となって全国規模での事業展開を推進。また、AI技術を活用した一部作業の自動化にもチャレンジしている。会社全体としても自動化を推進しており、有用な新技術は進んで取り入れる姿勢だ。それは、他社との差別化にもなっている。また、AIを他の分析にも役立てられるよう、アスベスト分析グループが先駆けとなってAI技術の活用にチャレンジしているところだ。
rectangle
未来がある会社。
新たなビジネスチャンスを掴むために常にアンテナを張り、新しいトピックが見つかれば、どれくらいのニーズがあるかを確認し、早めの参入を狙いたいと考える。そのためには意欲的な人材が必要だ。太平洋コンサルタントの経営ビジョンのひとつに「未来がある会社:目先ばかりでなく将来を見据えた経営を実施する」とある。『設備や教育基盤が一般的な分析会社に比べ、非常に充実している。新しいことにチャレンジしやすい環境だと思う。』とTさんは言う。これから社会に出て、何かを「したい」という意欲ある人のチャレンジを歓迎し、後押ししてくれる環境がここにはある。
AnalysisImg3